発達障害グレーゾーンの母の悩み

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手帳がない
グレーゾーン

その親の悩みは深いのです・・・

私は映画を見るのが好きなのですが
先日、「くちづけ」という映画を見ました。

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竹中直人さんと貫地谷しほりさんが
親子役で出演していて知的障害のある子供の
グループホームでのお話です。

もう切ないエンディングで
知的障害を持つ親のもどかしい思いが
私自身の思いと重なり、涙が・・・・

今日は親の気持ちを書いてみます。

グレーゾーンだから

ぶっちけ手帳が羨ましい
ずっと国からお金をいただけるんだもん。

グレーゾーンは、一見、普通の人。

症状から自閉症とかの診断に至らないけど
軽度という表現が適切かどうかも
微妙だったりと
それぞれに、生きづらさは
あるわけです。

とりわけ、対人関係の苦手な
ことは、将来「働く」ということにおいて
足かせになることは間違いない。

障害者枠で就職することもできず、
一般の人と「就活」を戦うわけです。

厳しい現実があるでしょう。

さらに、運良く働けても
職場の人間関係をうまくやれなかったり

ミスしたときパニックに
なってしまったり

イレギュラーな対応ができなかったりと
首になる可能性も多々あります。

でも、働かないと国からは補助は出ないのです。
自活しないといけないのです。

恐ろしい現実

「くちづけ」という映画の中で
ギャルが「きも!この人、知的でしょ!」
みたいにギャーギャー騒ぐのですが
グループホームの従業員さんは冷静で
「あれが真実じゃないのって。あのこが
現実じゃないの」って言うのです。

発達障害グレーゾーンに対しても、社会の
忍容性はまだまだです。

映画の中で、恐ろしいことが語られていました。

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路上のホームレスや、刑務所って
知的障害者や発達障害の人が多いんだって。

「生きていくすべを持たないから」犯罪を
犯したりしてしまったりする

それに対して父親役が猛烈に反論して
「冤罪が多いんだよ。犯人が見つからないと
この子達に尋問するんだよ。そしたらどうなる?
怖いから、怖くて、やってなくても
やったって言っちゃうんだよ・・・」って。

なんだか、ものすごく考えさせられました。

要領よく生きられないので
トラブルに巻き込まれたら、チビ助も
不利だと思います。

「コグトレ」と言う認知能力を上げるドリルなどを
開発した宮口先生も少年院の現実を語っていました。

以下、転載

*****************

「私は以前、“医療少年院”に勤務していました。そこは、
発達障がいや知的障がいを持った非行少年が集まる
ところなんです。
障がい児といったら、本来は学校で
守られなければならない存在。

その子たちは、障がいに気づかれず、支援されず、
挫折し、結局非行化してしまっていたんです。

少年鑑別所ではじめて障がいがあった
ということに気づかれるという現実を目の当たりにしました。

まさに、被害者が被害者を作っているという
最悪のケースが起っているのです」

つまり、コグトレはもともとは、そのような医療少年院の
子どもに少しでもよくなってもらい、
社会に返してあげたい…という思いから
考案されたトレーニングだという。

「非行少年たちに共通していたことは、
簡単な足し算や引き算ができない、漢字が読めない、
そればかりか、簡単な図形を写せない、点と点を結ぶこともできない。
また、身体が不器用といった少年が大勢いたことでした。
つまり、見る力、聞く力、想像する力が弱いがゆえに
周りの状況が読み取れず対人関係に失敗したり、
被害的になってしまう。体の不器用さからいじめにあう…。
そういった生きにくさが非行の一因であることに気づいたのです」

そこで、宮口先生は見る力や聞く力、
人とコミュニケーションをとる力、感情をコントロールする力、
計画を立てる力、身体をうまく使う力といった
本人の発達レベルに応じた根本的なところから、
教育を見直さないといけない。その思いから“コグトレ”を考案し、
少年院で施行してきたという。

(引用元:https://www.mamatenna.jp/article/80194/)

*************

どうしたらいいの?

私だって、息子を刑務所なんかに送りたくないし
ホームレスにもしたくないんです。

ではどうしたらいいのでしょうか?

療育しても、発達障害が治る
わけではない

でも、トレーニングで生きずらさは
少しづつですがよくなっていきます。

とは言え、親ができるのには限界がり
何より、いつまでも親が面倒見ていられません。

そこで私が日々、心がけていることは
セーフティーネット作り
親がいなくても、頼れる周囲作りと言うこと。

●セーフティネット作り

親がいつまでも面倒は見ていると
子供は自分の困難なことを自覚しにくくて、
そうなると、人にヘルプが言えなくなります。

チビすけに必要なことは、困っていることを
助けてくれる周囲の人の存在。
仲間を作ること。

そのために、自分の困っていることが何かを
自覚して、表現すること。

今も、いろいろ忘れ物をしてきますが
探すのも、電話をかけたり、取りに行ったりも
全部、チビすけにやってもらいます。

あちゃーーーって体験して帰宅してきているので
「なんで忘れたの!!」って追い討ちはいらない。

するのは、「ここから何を学びますか?」

「気をつけます・・・」とか
「わかんない」とか

そんな感じなので、私が思い浮かぶ方法
言ってもいい?って聞いてから

「こうしたら?」とアドバイス。

本人が聞きたいと言うのが前提ですよ。
アドバイスは思春期には厳禁ですので。

こうして、トラブルを回避すること
トラブルになっても、助けを借りながら
解決していくことを学んでもらっています。

●何が苦手かを自覚してもらう
●困っている時にヘルプが言えるようにする

 

チビ助は相手の気持ちをうまく受けて
対応するのが得意ではありません。

だからと言って、悲しくないわけでも
傷つかないわけでもないんです。

どうやら、行間が読めないようなので
「これどう言う意味?」って
友達のLINEを見せてきたりします。

そう言う時に、どこをみて
どう判断したか、見るポイントを伝えて
行っています。

日々の夕飯時の会話は何より大事。
友達がこう言った、あー言った
こんなことした、、、、そんな話を聞きながら

そうだよね、これは、いけないね
そうだよね、これは怒ったんじゃない?
など、日々のことを言語化して、本人が
整理できるように会話しています。

なるほど、こう言うことを
ああ言う場面でいうと、まずいのか

そんなことを学んでいきます。

●対人関係の機微は、会話の中で
ポイントを言語化して伝える

なので、私が心がけているのは

●沢山の体験、特に、生の体験をさせる

飛行機に乗るのだって、電車に乗るのだって
準備から一緒にやってみる。

失敗して、ぎゃーーってなることも
あるけど、次に活かせるので大丈夫

去年はトランジット先のバンコクの空港で
泣いてたなぁ・・・

●出逢いをさせる

いろんな人に出会わせることで
刺激を受けます。

もちろん、慣れていないので
トラブルになることも。それでも
それは貴重な経験です。

親以外のたくさんの人と交流することが
将来、自立する時、非常に役に立ちます。

グレーゾーンの子どもたち

手帳がない分、親の悩みは深く
飯が食えるようにする!への道のりが
険しく思えることもあるでしょう。

不安です、実際。

でも、おんなじような失敗を繰り返しているようで
少しづつですが、改善されていっているんです。

つまり、成長は確実にしています。

欠けている、と見て支援するのではなく
こんなことができたら、もっと楽しくなるよね!

と、同じことをしているのですが、意識面で
少しでも、「欠けている」感をなくしています。

やっていることは、自立に向けて、たりない部分の
スキルをあげていることなんですけどね。

「足りない」よりも「もっと良くなる」

このほうが素敵でしょ。

そしてね、ここが大事。
得意なことをうんと伸ばしてあげることが
グレーゾーンの子どもにはとにかく大事。

特性を検査など受けて、まずは把握して
得意なことをよく観察して、検査結果と
日頃の観察を合わせて

本人が夢中なものをどんどん応援して。

チビ助は水槽のことなら、今はとにかく夢中です。
水換えもこまめに頑張りますし、そのあとの
床掃除や、お風呂掃除も頑張るようになりました。

好きなことのためなら、ついでに、いろんな
ライフスキルも学べちゃってるのです。

夢中なもの、好きなものの中から
将来の飯の種が出てくるかもしれません。

好きなこと、夢中になれることを
している時のパワーで、全体の底上げがされる
こともあるんです。

手帳がない、支援がないとなると
焦るけれど、焦るより、地域や周囲を育てながら
親が一人で頑張らない方法で

子供と共に、自立する道を歩んでいくこと。
これが大事なのかなと思います。

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