奈美枝のグリーフ体験
明るいイメージの私なので、暗い事を書くのは
憚られて。。。。
どうしようか迷っていましたが
日々の揺れ動く気持ちは、紛れも無い
自分自身が体験しているグリーフ
これとどう向き合っているのかを
記録することは、後進の励みになるのではと
書くことにしました。
母、ついこないだ古希だった母。
５月２９日火曜日に、
全身疼痛で動けなくなり入院。
２階に住んでいる母を
お嫁ちゃんが母をおぶって
病院まで搬送してくれました。
当初は、持病の悪性貧血関連かと
血液腫瘍内科に入院。
しかし、抗生物質は効かなくて
高熱が続きます。
それでも、６月２日、日曜日くらいまでは
会話もできました。
ところが、月曜日ごろから、
意識がはっきりしなくなり
脳のMRIを撮影して、なんと、
素人の私でもはっきりわかるほど
側頭葉が白くなっていて、
「脳炎」と呼ばれる状態になっている
ことが判明し、そこから治療が
一気に変わります。
病棟も、血液内科から神経内科に移動して
集中的な治療が開始。
しかし、火曜、水曜、木曜と
私が面会に行っても
母は眠ったまま。
寝ていて、揺すっても
起きない状態。
というわけで、私の心は
不安定になりました。
第一段階 不安・後悔
看護師だし、長女だし、しっかり
しなきゃーーーっていう
思いと、
最愛の母を失うかもしれない悲しみで
どうにかなりそうでした。
会話ができないことで、
悪い予感で、脳が支配されてしまう。
こうなって来ると、日常をこなすことが
もう、精一杯で
ご飯作る、洗濯する、それでもう
いっぱいいっぱい。
脳内キャパが全然なくなり
悲しみと不安、後悔で
どんどん埋め尽くされていきます。
病院に通う道中も、greenのキセキ
聞いただけで涙が溢れ、
最後に交わした言葉を
思い出して
最後のメールや着信履歴を
見ては、涙、涙。
もう、メールも打てない母ですが
金曜日に最後にLINE電話してきたときは
チビ助のお勉強がうまくいくように
帰依している小田原に
お参りに行くからいつがいいか
という話で。
金曜日は、まだまだ
本人、退院すぐにできると
思っていたんだよなぁ。
ずっと、チビ助のことを気にして、
いつも、母は
自分のことより、子供たち、孫たち。
まさか、こんな風になると
思っていなかったので、
虚ろ、虚ろな中、月曜日に
話した時、
私が色々話しているのに、途中
「あなたは、私の宝物」
「あなたは私の誇り」
「あなたは、本当に素晴らしい」
「あなたのお母さんで最高に幸せ」
と、何度も、繰り返し、言われ
いつものことなので、ハイハイと
あしらってしまって。
今、振り返れば、懸命に、もしもの時のため
メッセージを言っていたんだなぁと。
私ったら、いつものことって・・・
ごめん。ちゃんと、ちゃんと
受け取ればよかった。
私もだよって言えばよかった。
私だって、あなたの娘で
本当に幸せだったよって
あなたなしでは私はない。って
ちゃんと、言えばよかった。
あっという間に、何気ない
日常はなくなりました。
空を見ても、色が違う。
当たり前なことは、ない。
共同体感覚が支え
まぁよく泣いた。
泣いて、泣いて。
そういえば、９年前に
母が難病にかかったときも、
もう死んじゃうかもって大泣き
したんだったなぁと思い出した。
娘が思い出してくれた。
あの時、幼稚園だったお姉ちゃん。
泣き暮れる私を
励ましてくれたっけ。
病名もはっきりしないし、予後も
わからないことへの不安
母を失うかもしれないという恐怖。
これは、理屈抜きに
迫って来るけど
家族がいる。
泣きたい時、泣いている時
家族がいる。
私より泣きたいのは父だし
弟だって死ぬほど不安でしょう。
その気持ちをシェアする
共同体感覚の私たち
お互いに辛い気持ちも
シェアしていける。
そうだ、そこに
隣に、家族がいる。
前向きになるために
泣いてばかりもいられないですよね。
それじゃあ、当人様
嬉しくないですよね。
さて、そんな時はどうするのか？
なんで？なんで？
どうして母が？
と、思っていると、前を向けません。
こういう時は
「意味」を考えていきます。
母が今、こうして闘病している意味は？
お嫁さんが、本当に
よくしてくれていることを
日々、感謝することができる
臨終の際の、延命措置について
先延ばしにして、考えてこなかったので
家族で話し合う機会
愛情に溢れ、真面目で
一生懸命に子育てしてきた母に
恥ずかしくないように
私は子供の子育てを手を抜かず
やり遂げることが
きっと彼女の希望に違いないと
考えること。
当たり前はないと考えられること。
これをきっかけに、親戚と
交流することができる機会。
などなど、この試練は
自分をどう成長させてくれるのか
これを考えることがとても、意義深いと
思えたのです。
辛くて、悲しくて、泣いちゃう。
今も、涙は出る。
でも、原因を探すより、意味と
成長を考える。
アドラー心理学の深い信念が
私を支えてくれています。
避けようにも、死は誰にでも
やって来るし、病気にも
事故にもあってしまう。
その苦しみをなくすことに
翻弄するより
その苦しみから、自分たちは
何を学び
どう成長するのかを考える
この静かな強さが
グリーフ、大切な人を
失いそうな時には必要なんだと
思いました。
だって、成長の糧と思うと
希望が持てるでしょ。
過去の原因を考えていたら
後悔ばっかりでしょ。
希望と祈り
それが、とっても今
大事だなぁと思う時期です。
今日は、もこちゃんの個展で
こんなリースを
作ってきました。
希望と祈りを込めて
ひと針ひと針、打ちました。
さて、明日は、父の誕生日会。
子煩悩で、家族が大好きな父。
そんな父が大好きな母。
父のために
明日は楽しい時間にしていきたいと
思います。
その話をまた母に
報告できたらいいなぁ。
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土田 奈美枝