学歴よりも、学習歴が問われる時代になりました。
勉強ができるとか、記憶などの力は
「認知能力」と言われています。
かつて、子供にドリルをさせたり、
フラッシュカードで暗記させる
ということが、はやりました。
しかし、こうした認知能力とは違い、
将来、成功していくためには、「非認知能力」を
育てることが必要ということを
ノーベル経済学者のヘックマンが言っています。
その非認知能力とは、協調性、やるき、社交性、
自制心のことです。
今日はその中の「自制心」について考えていきます。
目次
実験からわかる自制心の大事さ
スタンフォード大学の心理学者
ウォルター・ミシェルが行った実験です。
集められた4歳児を机とイスだけが
おいてあるなにもない部屋に1人ずつ招き、
マシュマロを1つだけ机の上に置いて、
子供たちにこう話しかけます。
「私はちょっと用がある。それはキミに
あげるけど、私が戻ってくるまでの15分間
食べるのを我慢したら、マシュマロをもうひとつ
あげる。私がいない間にそれを食べたら、
ふたつ目はなしだよ」と言って部屋を出ていきます。
ほとんどの子供は待つことを選んだものの、
待つことができた時間は平均2分間で、
15分間待てた子供は全体の約1/3という
結果になりました。
その後追跡調査をすると、
•就学前における自制心の有無は
十数年を経ったあとも持続している
•マシュマロを食べなかった子供たちは、
周囲からより優秀と評価されている
•マシュマロを食べなかった子供たちは、
我慢できなかった子に比べて、
大学進学適性試験(SAT)のトータル・スコアが
平均210ポイントも高い
ということが判明しました。
ウォルター・ミシェルはこの実験から、
幼児期においてはIQより、自制心の強さのほうが
将来のSATの点数にはるかに大きく影響すると
結論づけています。
IQより自制心の強さの方が大事
子供に自制心を教えようとして
やりがちな間違い対応2つ
実は、お姉ちゃん。この1ヶ月ほど、
毎日のように約束をやぶってくれます。
約束は、例えば、自習室で勉強する
というはずが、図書館だったり、スタバだったり
はたまた、隣町に遊びに行っていたり。
連日、約束破るなんてひどいわ、傷ついたわという
話をして、アドラー式に気持ちを伝えて
きましたが、ほんと、毎日のように
破られるので、お互い、もう疲れていました。
別に、私を苦しめたいという目的ではなく
図書館なら音楽きけるし、スタバはなら
飲み物飲める。でも自習室は、音楽も
飲食もできないから嫌・・・
でも、子供が夜、外に出ても
安全かというママの意向はわかるから
自習室に行かないといけない。
でも・・・・
毎度、お姉ちゃんは、天使と悪魔の
ささやきの間に苦しめられているわけです。
ここで、してはいけない対応。
◎なんで、約束やぶるの?
と、なんで攻撃する。
理由なんて、上記に決まりきっている。
聞きたいのではなく、
言いたいだけの場合が多いから。
◎約束破るなら、もう◯◯はなしね!
罰やペナルティーを用意して
それを抑止力にしようとする
残念ながら、私がこれを
してきて、成功することなく
虚しいばかりに、くりかえされました。
だから、効果ないのは実証済み。
「なんで?」も「罰」でも
自制心は身につかない!
自制心が大事なのはわかった
では、どうやって子供に
教えていけばいいのでしょうか?
叱ってもダメ
罰を与えるのもダメ
では、どうやって、自制することを
伝えたらいいのでしょう。
普段なら、「ここまで、頑張れたら
やめてもいいよ~」とか、
「ここまで、やってみようか」
こんな感じでいいのです。
少し頑張る、少し我慢すると、
お母さんに褒めてもらえる。この感覚で、
エンジンを発動させるコツをつかむ。
アドラー心理学でダメとしている
「褒め」は、外発的動機
ご褒美欲しさに行動を起こすというのは
真の力にならないからです。
しかし、経済学的に、やる気を起こすのに
効果的なものとして、インセンティブ
つまりご褒美があるとしています。
最初は、外発的動機がきっかけかも
しれないが、気が付いたら、したくて
している、行動することが楽しくなっている。
そうなればいいわけです。
私も、いつもご褒美ほしさに
行動するようになったら問題ですが
ガミガミ、ダメだしを続けるより
案外、これがいい方法だと思うようになりました。
私に、「どうすればいいかな?」
「ママ、かなしいわ」ばっかり言われて、
もう飽きた
そう言い放つお姉ちゃんに
自制心を伝えるには
ご褒美のほうがむしろいいのでは?
ここで、アドラー心理学を学んでいるので、
インセンティブの設計を考えました。
自習室に行かなかったときにだけ
ガミガミ質問攻めにするのではなく
普段、自習室に行けたとき、褒める。
できたことを褒める
この作戦にしました。
お姉ちゃんと、カレンダーに
自習室いけたよシールを
貼ることにしました。
6年生にもなって、情けないでしょ。
でも、外発的動機スタートでしたが
自習室が当たり前になって
誘惑に勝てるようになっていると
シールもいらなくなるわけです。
ご褒美がすべていけない
そう考えるより、柔軟に、エンジンを
動かすためのきっかけという
考え方をしていくのが
効果的だと思います。
自制心は1日にしてならず・・・
シール作戦とか、褒め作戦しても
すぐに自制心がつくわけではありません。
時間はかかります。
私も忍耐しています。
つらい・・・
早く成長してほしい・・・
そう思ってしまう・・・・
そんな時に、大きなヒントがありました。
今日は、「奈美枝の死生学」講座
今日は、ご家族で参加の方もいるとの
ことだったので、
絵本をよんでもらいました。
ままがおばけになっちゃった
この絵本の後半に、おばけになったママが、
遺してきた息子のことを回想します。
そういえば、彼が失敗するのが好きだったな
失敗してるほうが好き
なんか自分に似ているから・・というような。
これを聞いていて、はっとしました。
お姉ちゃんが、失敗ばかりする。
でも、それを私、実は面白がっている。
相変わらずだなぁと内心、いつも
笑っているんですよね。
そこで、今日は、講演会の参加者と
同じく、私もお姉ちゃんに手紙を
書いてみました。
お姉ちゃんがそのままでいい
しっぱいするのが楽しい
大丈夫
それが伝えたくて。
自制心は、罰やしつけで教え込むより
失敗を許容しながら、時間をかけて
できている当たり前を認め合う
その関係から、生まれるのです。
奈美枝の死生学
正解のないたくさんの問題提起
みなさん、たくさん考えて
きっと帰宅後もいろいろ
考えていると思います。
それが一番嬉しい。
正解より考えること!
充実の時間でした。
ありがとうございました。
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